喪失感と癒着
人と近づけない。
ウザい人と思われるのが怖い。
仮面をかぶってる人は大丈夫。
癒着してこようとコントロールしてくる人は苦手。
人と近づけないことで、私に近づきたい人を傷つけているのは知ってる。だけど、怖い。自分の殻にこもらず、相手に愛を与えて…って考えるけど、考える時点でムリしてるし。
私が高校生の時、母が突然倒れた。目の前で呼吸停止して、みるみる唇が紫色になるのをみていた。
その前はずっと癒着されてて、管理されてて自分の意見も持てなくて、早く家を出たいと思っていた。それなのに、母が入院して、絶望という言葉がぴったりな気持ちになった。私の意志はないから、どうやって生きていけばいいのかとか、もっと母親孝行すればよかったとか。
食卓に、私は特別な想いがある。母が一時退院して、家族で食卓を囲めたとき、やっと幸せが戻ってきたって嬉しくて仕方なかった。
母が倒れたのは、夜ごはんが終わって、それぞれテレビみたり寝たりしてくつろいでいるときだった。幸せが突然終わるのが怖いんだ。仲良くなった人が、突然いなくなるのが怖い。だから最初から近づかない。とりあえず距離詰めないでください、そんな感じ。
面と向かって仲良くするのは怖いけど、横に並んで同じ感情を共有するのは好き。それまさに癒着じゃん。違いを楽しむってのが長年できなかった。周りと違うことがずっとコンプレックスだった。
今は違う他人と接して、思わぬ自分の反応に出会えて楽しい。30過ぎてるのに、知らなかった自分ばかりいる。
母と違う意見を持つことが許されなかった自分。もう今は別人格として、大人同士話してる。母は、今や私のことが一切わからないだろうな。とか言ってお見通しだったりして。
そっか。癒着してたから、喪失感がより強かったのか。